新型コロナウイルス感染症 COVID-19 (23):予防接種の間接的効果
(投稿日: 2020年03月21日)
新型コロナウイルスに対するワクチンは、きっと世界が競って開発を進めています。
一方で、既存のワクチンを上手に、適切に使っていくことが、間接的にCOVID-19の対策になるものと考えます。
①肺炎球菌ワクチン
現在、5歳未満の小児と60歳を超える高齢者で条件付きで定期接種になっています。COVID-19では小児があまり問題になっていませんが、高齢者がハイリスクであることは明らかです。呼吸器系にアタックするウイルスのようですので、このウイルスへの感染で、いわゆる”カゼをこじらせた”状態で病状が悪化していくことが予測されます。肺炎球菌ワクチンは、平時でも高齢者の肺炎予防で大切ですが、COVID-19の重症化予防として、より重要性が高まったと考えるべきでしょう。
※5月29日に、「肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる方々の、肺炎球菌(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F)による感染症予防に接種可能」ということで、プレベナー13®水性懸濁注の適応追加となっています。定期接種の対象が拡大したわけではありませんが、接種が必要と考えられる場合に年齢のしばりなく接種が可能となったわけです!(2020/5/31 追記)
②インフルエンザワクチン
2019/2020シーズンはインフルエンザがあまり流行しませんでしたので、来シーズンはまた免疫の不十分な方々が増加する形となって流行が大きくならないとよいが、、、と思うところです。実際はインフルエンザに罹患したのに、熱が出たということで新型コロナへに感染したのではないかと不安になる状況も想定されます。無用な心配を少しでも低減するためにも、来シーズン以降、いや、今現在でも、インフルエンザワクチンをしっかり打って、予防に励むことは大切です。
③麻しん風しん混合ワクチン
現在、風疹の第5期の定期接種の扱いで、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性が対象になっています。40-50代に相当し、データ上、新型コロナウイルスへの感染者数が多い世代となっています。インフルエンザと同じで、こんな時期に麻しんや風しんに罹患して、無用な心配を高めることのないよう、対象となる年代の男性は特にこの制度を利用して、麻しんおよび風しん対策をしたいところです。コロナの件とは関係なく、そもそも麻しんも風しんもかかれば大変な病気、時に命に関わる病気ですから、こどもから大人まで、予防接種でしっかりと対策をとるべきです。
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