新型コロナウイルス感染症 COVID-19 (41):こどもを持つ保護者の皆様へ ー過ごし方編ー
(投稿日: 2020年04月08日)
病院へ行ってうつったら大変、ということでしょう、受診控えによる患者減少が顕著です。受診しなくて済むということなら、受診していた今までが過剰だったということです。そういう対処の仕方を学んでいただけることは、今後にきっと生きると思います。
では、今、ご家庭で過ごす時間が多くなる中、お子さんのいる保護者の皆さんにご提案です。
新型コロナウイルスが世界を震え上がらせています。しばらくは先が見通せない時間が流れることでしょう。学校や園もお休みの日が多くなりそうです。いつもの年のようには、どうにも回っていかなさそうな様相です。
こどものいるご家庭の皆さんに、小児科医としての視点で過ごし方について呼び掛けたいことを考えてみました。
①コロナのことをテレビ(特にワイドショー)やネット(特にSNS)で知ろうとするのはやめましょう!
少なくとも現時点では、センセーショナルなことが優先的に報じられ、それを煽る方向の報道や投稿が多くなりますし、現在の心理とも絡んで目に飛び込みやすく、印象に深く刻み込まれやすくなります。情報を得るならば、短時間に限定して、できるだけ客観的な事項のみをおさえていくことです。新聞の方が落ち着いて吟味しながら情報を得やすいかもしれません。
②お子さんの顔を見て、お子さんの声や話を聞いて、お子さんと触れ合って、過ごしましょう!
ハナから”先が見えない”と捉えずに、まずは”たっぷり時間がある”とひっくり返して解釈しましょう。あり余る時間、今までできなかったことをたくさんするチャンス。特に、学校や園など、他人任せにしがちだった部分を、自分自身で対応していくことで、お子さんの成長を感じられたり、気づかなかった一面を感じとったりできるかもしれません。
お母さん、お父さんも不安かもしれませんが、こどもはもっともっと不安を感じています。動物といっしょで、不安を感じた時に、怖いと思った時、こどもが頼る一番の存在はお母さん、お父さんです。それに全身で応えてあげてください。
昔ながら、と笑われても結構です! 読み聞かせをしたり、オセロをしたり、トランプしたり、なわとびしたり、ボール遊びをしたり、思いつくことは何でもトライです。いろいろな意見はありますが、お子さんが小さいほど、ご家庭においては”3密”にはあまりこだわってほしくないなという気持ちです。
③喜怒哀楽、お互い様! 上手に切り替えて!
長期戦になるでしょう。であれば、イライラしたり、気持ちがふさいだり、悲しくなったりして当然。親子の間で、そうした気持ちをガマンする必要もないのでは? お互いに危害を加えたり、事故に至ったり、心を傷つけるような言葉を発しないという程度の注意はしながら、怒っても泣いても笑っても、どんな気持ちでも表現したらよいと思います。その代わり、親子だからこそ、大胆に切り替えをして。
やまない雨はなく、明けない夜もありません。社会がやがて元気になるために守らなければいけない最小単位は、こどもと家庭だと思います。
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