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新型コロナウイルス感染症 COVID-19 (91):マスク。

(投稿日: 2020年05月28日)

 マスクについて。「どんな時も常に着用」が、本当に必要なことなのでしょうか。感染対策の名の下、流行の大小も関係なく着用することが、本当に正しい方向性でしょうか。

 現在、デパートやスーパーに入るにも踏み絵のようにマスクの着用を求められる雰囲気は、おかしいと思います。

 表情は、人間の非常に大切なコミュニケーションツールです。それを、顔を覆い隠すことで遮断するデメリットよりも、年がら年中感染対策をし続けるメリットが大きく上回るというのでしょうか。

 今日、処方のみで来られたお母さん。高校1年生も子が、昨日今日と学校へ行けなくなっていると言っていました。3ヶ月間、家で好き放題したいことをしていたところ、急に月曜から学校と言われても無理だ、と。気持ちが悪い、勉強についていけない、英語の先生が怖い、、、などと言って、部屋にこもっているのだそうです。

 4月の入学式を迎えた時の高揚感もはるか昔のものとなり、見ず知らずの同級生といきなりいっしょに授業を受けるようになって、打ち解け合いたくても皆マスクをしていて顔もよくわからない、表情も読めない、おまけに弁当も前を向いて個別に食べなくてはいけない、、、楽しい気持ちで学校に行けるはずがありません。新しく入った環境で、学校中マスクをして表情どころか顔自体も隠していたら、確かに新しい友達とか先生とか、そんな気持ちになれませんね。。。

 マスク以外にもフェイスシールド、アクリル板など、こんな風にコミュニケーションを遮断する対策が様々な形でとられることが、健全な心身の成長をしていくべき時期のこどもにとって、有害でこそあれ、有益なわけがありません。コロナはそこまで、こども達にとっても社会にとっても、絶対にかかることがあってはならない、マスクを常時着用していなくてはいけないほどの、モンスターなのでしょうか。

 医療の側からすると、マスクに関わる現在の状況は、ある程度の発熱があったら原因の推定はさておき「念のため」と称して全例に抗菌薬を処方していたこれまでの医療を彷彿とさせます。原因となっているかどうかも疑わしい、いるのかどうかもわからないバイキンを、悪さをしているといけないから、いたら困るから、という、およそ科学的、医学的ではない、感情的でしかないとも言うべき理由で抗菌薬を投与し続け、そのデメリットには決して目を向けてこなかった医療の負の歴史です。どうやらデメリットもあるらしい、と気づいた時には、もはや耐性菌天国です。

 マスクも、新しい生活様式に組み入れられ、日常的に皆が着用するに至った現在まで、デメリットに関する議論がほぼなかったことが、”念のため抗菌薬”と同じ構図です。デメリットに気づいた時、果たしてどんなことが起きているでしょうか。

 今日聞いた高校生の話もそうですし、とあるMLであった、「常にマスクをしたお母さん、お父さんばかり見ていて、言葉の発達の前に両親の表情から様々な感情を育んでいくはずの赤ちゃん達の、今後の感情形成、情緒の発達の歪みが心配である」という話には、大いに納得した次第です。

 熱中症対策、息苦しさ対策で外すことはOK、、、などとするくらいなら、マスクの意義の原点に立ち返って、もう少し冷静な運用を社会全体で考えるべきではないかと思います。暑さと共に「めんどくせー」、、、と、あっさり過去の遺産になっていく流れを個人的には期待しています。

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