新型コロナウイルス感染症 COVID-19 (53):「これは戦争!」なのか?
(投稿日: 2020年04月20日)
定義もいろいろあると思いますが、「武器その他を用いて、敵とみなした組織・集団を倒し、最終的にその司令塔の機能を停止させること」ではないでしょうか。
Wikipediaには、「複数の国家、または集団の間での物理的暴力の行使を伴う紛争」とあります。
武器は診断薬や薬やワクチン、敵はウイルス、コロナと考えれば、それっぽい雰囲気ではあります。しかし、ウイルスは意思を持った組織・集団ではなく、司令塔も存在しません。今、我々はコロナと向き合っており、闘っているイメージではありますが、”敵の大将の首をとる”ためではありません。コロナを倒そうというよりは、コントロールできる状態を目指している、あるいは共存できる道を模索しているのだと言えると思います。
時間はかかりそうだけれども、何とかできるのではないかという楽観論から、それは難しくて長期化するのではないか、コントロールする前に社会が破綻するのではないかという悲観論まであります。実際どうなっていくのか、今の時点では誰にもわかりません。
一つ気をつけなくてはいけないのは、コロナとの対峙を戦争に見立てて、国民を鼓舞しようとするような流れ、風潮になっていくことです。がんばらなくてはいけないし、実際に皆がんばっていますけれども、それは自分のため、家族のため、仲間のため、地域や社会のためであって、”我が大将”のため、ではありません。
「これは戦争と同じなのだからがんばれ、ガマンしろ!」と言われると、なんだかそういう気になってしまわなくもない現況ですが、状況判断を誤ってはいけない。そもそも戦争ではないし、打ち負かさなくてはいけない敵の大将もいません。
「皆で協力して当たり前の日常にまた戻ろう!」。掛け声はそれで充分です。
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