新型コロナウイルス感染症 COVID-19 (58):同調圧力
(投稿日: 2020年04月25日)
「同調圧力」。
◎集団において、少数意見を持つ人に対して、周囲の多くの人と同じように考え行動するよう、暗黙のうちに強制すること。(デジタル大辞泉)
◎地域共同体や職場などある特定のピアグループにおいて意思決定を行う際に、少数意見を有する者に対して、暗黙のうちに多数意見に合わさせることを指す。少数意見を有する者に対して態度変容を迫る手段にはさまざまな方法がある。少数意見を有する者に対して物理的に危害を加える旨を通告するような明確な脅迫から、多数意見に逆らうことに恥の意識を持たせる、ネガティブ・キャンペーンを行って少数意見者が一部の変わり者であるとの印象操作をする、「一部の足並みの乱れが全体に迷惑をかける」と主張する、少数意見のデメリットを必要以上に誇張する、同調圧力をかけた集団から社会的排除を行うなどである。(Wikipedia)
ある集団が、危機に直面している状況や、気分が高揚しているような場合に、同調圧力がかかりやすくなると思われます。集団とは、少人数の場合もあれば、国家的あるいは世界的規模のこともあるでしょう。危機に直面している状況とは、戦争中や、現在の新型コロナの流行がまさにそれに当たります。気分が高揚とは、ラグビーのワールドカップやオリンピックでの日本チーム/選手の活躍や、天皇家のお祝い事など。
余談ですが、同調圧力がかかる対象となる”少数意見”の持ち主とは、すべて当てはまるわけではないけれど、いわゆる”あまのじゃく”と称されるような存在も含まれるでしょうか。
同調圧力は、時として常識的な、正常な判断力を失った結果、生じるのではないでしょうか。生命に関わる危機感であったり、尋常でない気分の高まりであったりが、そうさせる原動力、エネルギーになるものと推察されます。現在の新型コロナによる感染症は、実際には大半が軽症もしくは無症状で経過し、生命を脅かされるのは高齢者や持病のある限られた集団であり、特に日本における実情は諸外国に比べてかなりマイルドです。ところが、ここに至るまでの伝えられ方、その中心はメディアであり、また一部の政治家であることは明白ですが、これにより、罹ったら最後、全員が重症化し、死を覚悟しなくてはいけないかのような恐ろしい感染症に仕立て上げられてしまっています。
そうして、同調圧力が非常にかかりやすい環境が整ってしまいました。現況、同調圧力のかかる対象の具体例には事欠きません。
◆マスクをしていない者
◆外出する者
◆閉店せずに商売をする特に飲食店
◆県外ナンバーの車
◆「心配ない」と発言する者
反面、明らかに同調すべきであるのにそうせず、声が大きかったりこわもてだったりするためにスルーされる、あるいは目立たずに気づかれないままとなることもあります。
◇喫煙者
◇(トイレに入った時でさえも)手を洗う習慣のない者
集団が大きければ大きいほど、原動力となっている事案が重大であればあるほど、圧力がかからないような状況に転換することは困難であり、時間とエネルギーを要します。コロナに関して言えば、現状は国家規模、世界規模で圧力がどこでもかからんとしていることから、流行の終息、もしくはその兆しが見られないといけませんが、現時点では見通しがまったく不明です。
さらに厄介なことに、兆しがあればそれに追い風を吹かせたいところなのですが、今はメディアがブレーキとなってしまっています。例えば、流行の初期段階で患者数が増加することを日々伝えていくことは仕方ないとしても、最近のように毎日発表される東京都の数が高止まりしている状況でも、「減少しない」としか表現しようとしません。誰もが認識できる程度に患者数が減少しない限り、あるいはゼロにならない限り、圧力をかける側の納得は難しそうです。
同調圧力は、人々がののしり合い、疑い合い、傷つけ合うことにつながります。それが深化してしまわないよう、常識を持った、正常な判断力を備えた”あまのじゃく”達が、微力であっても抵抗し続けていくことが、ブレーキとして不可欠です。
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