新型コロナウイルス感染症 COVID-19 (85):14年ぶり、国内で狂犬病患者
(投稿日: 2020年05月22日)
コロナ騒動のさなかに、今度は久々の国内での狂犬病患者発生です。しかも、静岡が関係している。
ポイントは3つと思います。
①コロナとは感染様式が異なるが、コロナ同様、聞いたことはあってもよく知らない病気なだけに、特に地域に関係しているとなると、不安が先行しやすい。コロナの流れで、訪れた場所や住所を特定して大騒ぎするなどといったことが起きてもおかしくない状況であるが、全く意味のないことを市民に認識していただくこと。
②イヌへの狂犬病の予防接種の率が低下している。近年、認識が低下して接種率が下がっていたことに加えて、このコロナの影響で行政の集合接種も中止(イヌの場合、集団接種ではなく集合接種というらしい、、、)となって、輪をかけた状態。日本に狂犬病ウイルスがない状態を維持するためにも、今一度、狂犬病予防法に則って飼い主はイヌに接種をさせるようにしなくてはいけないし、行政もなんとなく警戒感が薄れてきていると思うので、コロナに区切りがついたらキャッチアップでしっかりと接種の機会を確保するように努めなくてはいけない。
③狂犬病について、日本は清浄国=病気のない国、とされているが、発生している地域に渡航する場合には、決して侮らず、予防接種を検討すべき。コロナ騒動で、感染症について、ワクチンの有無が安心感に大きく関わることを実感したはず。やはり”恐ろしい病気”としての歴史を重ねて、狂犬病も有効なワクチンが開発され、対処法が確立されてきた。ワクチンが存在する感染症の人類における歴史をリスペクトし、ワクチンを有効に活用していくことは、非常に大切である。
『愛知県豊橋市で狂犬病の発症を確認、フィリピンからの来日者』
-5月22日発表、外国籍で静岡市に在住-
(2020年5月22日 午後7時30分 福井新聞 ONLINE)
愛知県豊橋市は5月22日、フィリピンから来日し豊橋市内の病院に入院中の外国籍の人=静岡市在住=の狂犬病発症を確認したと発表した。昨年9月ごろにフィリピンで犬にかまれ感染したとみられる。2月に就労のため来日した。国立感染症研究所によると、国内での発症確認は2006年以来で、国内で人が感染した例は1956年を最後に見つかっていない。
豊橋市によると、19日に同市内の医療機関から保健所へ狂犬病の疑いの報告があった。感染研に依頼し、22日に狂犬病ウイルスの陽性が判明した。市は発症者の性別や国籍などを明らかにしていない。
発症者は、11日から足首や腰の痛み、水を怖がるなどの症状を訴え、知人が静岡市の自宅から豊橋市の医療機関に車で連れて行った。現在も症状は重く、集中治療室(ICU)に入っている。
感染研によると、06年11月に京都市の男性が、同12月に横浜市の男性が発症して死亡した。いずれもフィリピンで犬にかまれていた。
狂犬病は人から人へ感染することはなく、患者から感染が拡大することはない。佐原光一市長は市役所で記者会見し「日本は狂犬病の清浄国。過度に不安を感じないでもらいたい」と強調。海外に渡航する際には予防接種も検討するよう呼び掛けた。
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