新型コロナウイルス感染症 COVID-19 (90):超過死亡
(投稿日: 2020年05月27日)
感染研より超過死亡のデータが発表されました。2019年第49週(12/2~12/8)から2020年第14週(3/30~4/5)までの期間のものです。日本でコロナの患者が出始めたのは4週(1/20~1/26)です。コロナによって予定外の死亡が急増したなら、このあたり以降で例年の水準を上回る総死亡者数としてデータに現れるはずです。
全国(21大都市合計)のデータでは、期間中、超過死亡はありませんでした。
一方、常に話題の中心であった東京では、49週から13週までの間、超過死亡が認められました。コロナとは無関係なはずの49風から超過死亡が認められたということはまた解釈は必要ですが、少なくとも4週以降にコロナの影響が超過死亡を底上げし、それがもしも医療崩壊的な状況があったことによるのだとすると、2類感染症として軽症も無症状も関係なく収容してベッドを占有してしまったことの弊害があったのではと思います。重症度に応じた分担をしていける体制が確保されれば、今後仮に患者数の増加があっても、この度のような医療現場での混乱もなくなっていくと期待されます。
静岡市および浜松市では、全期間を通じて超過死亡は認められず、むしろベースラインを下回る週の方が多かったようです。
緊急事態宣言下の自粛に代表される各種の対策がコロナだけに効果的であったならば、超過死亡がない状態、すなわちベースラインのまま推移することが期待されます。実際には超過死亡どころか、行動抑制の効果でコロナのみならずインフルエンザを中心とする各種感染症の、死因に占める影響が最小限になった結果、平時よりも死亡者数自体が減少したいうことでしょう。
コロナ対策ということに限定して考えれば、日本は成功したと言えます。しかし、コロナが原因の死亡にばかりスポットライトを当て続けてしまったことで、社会活動、特に経済や教育を縮小させる結果となったことを振り返って、今後への教訓にしていく必要もあると思います。
コメントを残す