2020年初頭より世界を巻き込んでの騒動となっている新型コロナウイルス感染症ですが、国内でもなかなか落ち着いた状況に至らず、2回目の冬を迎えようとしています。
2月下旬に、学校の一斉休校の措置がとられることとなりました。その時点ですでに、こども達がウイルスの主要なターゲットではないことが明らかでありました。このため小児科医としては、ウイルスそのものではなく、一斉休校をはじめとして、ウイルスに振り回される大人達、そして社会によって、こども達が大きな影響を受けてしまうことになるのではないか、という危惧を抱きました。
この危機感を静岡県内の小児科医有志で共有し、相談を進めていきました。そして、絵本作家の石井聖岳さんにイラストを、デザイナーの小林紗也さんにデザインを担当していただいて、「みんなでコロナを乗り越えよう」のフライヤーを完成させました。静岡県小児科医会にもご賛同をいただきました。
できるだけ多くの県内外の方々に思いを伝えたいということで、A4サイズのフライヤーを合計7万枚印刷しました。メーリングリスト等でアナウンスした結果、県内外の多くのクリニックや病院、薬局等に設置をしていただくと同時に、静岡市教育委員会を通じて静岡市内の公立の小中学校の全生徒に配布(約4万8千枚)していただくなどしました。
続いて、コロナそのものではなく、コロナに振り回された大人や社会の影響を受けて、こども達がこんな状況にあるのだということを広く県民に知っていただこうという目的で、静岡新聞と中日新聞の県内主要2紙に全面広告として掲載していただきました。5月21日木曜日のことでした。このフライヤーの図柄が大きく印刷された新聞が合計70万部以上印刷されて県内各所に配達されたことになります。新聞への全面広告にあたっては、株式会社タウンズと静岡ガスグループにもご賛同をいただきました。
これらの動きを受けて、県内の新聞やテレビでも我々の活動をたびたびニュースとして扱っていただきました。
緊急事態宣言の下、学校が長期に渡ってお休みになる中、小児科医や薬剤師の皆さんと共に、メッセージをしっかりと地域、社会に発信できたものと思います。
お陰様で、このプロジェクトには多くの方々よりご賛同、お力添えをいただきました。ご寄付は49件に上り、総額は3,435,000円に達しました。石井さんと小林さんへのお礼、印刷、新聞広告掲載、その他(郵送費、事務委託費等)の費用に充当させていただきました。改めてお礼申し上げます。
コロナと向き合わなくてはいけない時間はもうしばらく続きそうです。しかしながら、フライヤーに記載した思いを社会全体で共有し、文字通り皆で乗り越えていけるようにと願います。
プロジェクトの顛末と収支のご報告が遅くなってしまいましたことをお詫び申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
「小児科医からのメッセージ」
「みんなでコロナを乗り越えよう!」