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【改訂版】コロナとこどものマスク/フェイスシールドに関する考え

お子様をお持ちの保護者、ならびに園・学校の関係者の皆様へ

新型コロナウイルスとこどもにおけるマスク/フェイスシールドの着用に関する見解

 今春の新型コロナウイルスによる感染症の流行を受け、お子様をお持ちの保護者やご家族の皆様、ならびに園や学校の関係者の皆様は、こどもの感染症対策として様々にご心配やご不安を募らせ、できる限りのことをというお気持ちでおられることと思います。しかしながら、この感染症を可能な範囲で適切に理解して対応していかなければ、こどもにとっては不適切な対策、過剰な対策になりかねません。
 以下に、この件に関しての見解をお示しいたします。ご参考にしていただければ幸いです。

【要 旨】

(1)新型コロナウイルスは、年齢や健康状態に関係なく無差別に人々の命を奪っていく“殺人ウイルス”ではありません。特にこどもは、大人に比べて感染する率が低く、感染した場合でも重症化する率が低いという特徴がわかっています。
(2)マスクは、咳をしている人のエチケットとしての役割がそもそもであり、着用しさえすればウイルス感染症を完全に予防できるものではありません。一方で、低年齢であるほど、熱中症や呼吸困難の危険性、顔色・表情・口の動きが見えない、嗅覚が鈍くなる、肌荒れ、等々のデメリットが考えられます。
(3)フェイスシールドは、本来は医療従事者等の専門職が、顔や目・口を保護する目的の道具です。仮にこどもが着用する場合、低年齢ほど、熱中症・呼吸障害・嘔吐した場合・ケガの危険性、顔色や表情の観察のしにくさ、視覚・嗅覚・聴覚・愛着形成への悪影響等が懸念されます。
(4)(1)~(3)より、感染対策の名の下に、マスクやフェイスシールドを「常時着用」することは、こどもにとって不可欠なものではなく、むしろ危険性をも含む弊害の方が大きいと考えられます。
(5)こどもにおけるマスクの着用は、コロナに限らず様々な感染症の流行状況に応じて、適切に使用することが望ましいでしょう。
(6)コロナにだけ目を奪われて、こどもらしさ、こどもの健康で安全な日々の生活、健やかな成長が損なわれることのないよう、大人が、社会が、見守り、支えていきましょう。

【解 説】

◆新型コロナウイルスについて

*世界的に、こどもは大人に比べて感染する率が低く、感染した場合でも重症化する率も低いという特徴のあることがわかっています。
*高齢者や基礎疾患のある者、喫煙者等が、重症化しやすいこともわかっています。
*テレビのニュースやインターネットを見ていると、皆が死の恐怖におびえなくてはいけない病気であるかのように錯覚してしまいます。しかし、感染者の少なくとも8割以上がカゼ程度の軽症かもしくは無症状であり、集中治療を要する重症者や死に至るケースは全体からするとごくまれです。テレビやインターネットの大騒ぎに振り回されないことが大切です。
◎年齢や健康状態に関係なく無差別に人々の命を奪っていく“殺人ウイルス”ではないことを、正しく認識しましょう。

◆マスクについて

①意義・意味
*そもそもは、咳をしている人が、バイ菌を含む場合もある飛沫(ひまつ)を周囲にまき散らさないようにするための、エチケットとしての役割です。
*近年では、スギ花粉症のシーズンに、花粉をブロックしたり、クシャミやハナミズを覆ったりする役割も期待されるようになりました。
*通常の紙マスクの繊維や布マスクの目は粗く、飛沫やハナミズや花粉がそのまま通り抜けることはありませんが、ウイルスはとても小さいため通過できてしまいます。医療用の特殊なマスクを除いては、材質を問わず、マスクの脇からウイルスが出入りすることも可能です。

②着用のメリット
*①で述べたマスクの特性から、マスクをしていれば完全に感染を予防できる/感染させなくてすむ、ということは期待できません。飛沫に含まれたウイルスをまき散らさなくてすむ、あるいは直接に吸い込まなくてすむ、という程度の効果と考えられます。

③着用のデメリット
1)暑苦しい
 ⇒特に夏場は、熱中症のリスクを高める危険性もあります。
2)息苦しい
 ⇒着用するだけでも呼吸に負担がかかる上、汗で湿り気を帯びるとさらに呼吸がしづらくなる危険性があります。
3)顔色が見えない
 ⇒こどもの健康状態が観察しにくくなります。
4)表情が見えない
 ⇒こども同士の表情によるコミュニケーションが乏しくなります。またこどもは、大人(保護者、家族、保育士、教師等)の表情から感情や善悪の判断、様々な思いを学んでいきます。お互いにマスクをすることで、こうした表情によって伝え合うものを失ってしまいます。特に言葉が発達する前の乳児は、親の表情を見て豊かな感情をはぐくんでいくところ、親がマスクをしていることで、今後どんな感情の持ち主に育っていくのか、まったく予測がつきません。
5)口の動きが見えない
 ⇒言葉の発達段階にある年齢では、年長者の口の動き方を見て、知らず知らずのうちに発語の仕方を学んでいきます。この機会がマスクによって失われます。聴覚障害のある方は、口の動きを見て話しの内容を理解します。マスクはこの情報を遮断してしまいます。
6)においがわかりにくい
 ⇒マスクをしっかり着用していればしているほど、においを感じにくくなります。様々なにおいによって感情を豊かにする面もありますし、悪臭や刺激臭を感じることで自分を守る行動にもつなげていきます。マスクは、この大事な五感の一つ、嗅覚を鈍らせてしまいます。仮ににおいが鈍らないのであれば、それはマスクの材質が悪いか、付け方が悪いことを意味しており、そもそも感染対策の役割を果たしていません。
7)肌が荒れる
 ⇒材質に過敏だったりこすれたりして、肌が荒れる場合があります。

◆フェイスシールドについて

①意義・意味
*本来は、医療従事者が患者の血液や飛沫から、研究者が操作する検体から、技術者などが飛び散る物の破片や液体などから、顔面、特に眼や口腔を保護するための道具です。
*本来の目的が異なるため、マスクの単純な代用品にはなりません。

②着用のメリット
*目的に合わせて適切に用いることにより、正面方向から飛来する飛沫や異物が顔にかかったり眼や口腔の粘膜に侵入したりすることを防ぐことができます。

③着用のデメリット
1)暑苦しい
 ⇒特に夏場は、熱中症のリスクを高める危険性もあります。
2)息苦しい
 ⇒シールドが圧迫されて顔面に近接することにより、鼻や口をふさいだ状態になってしまうこと、特に新生児や乳児では、シールドと顔面の狭いスペースで酸素と二酸化炭素の十分な交換が進まず、呼吸にとって大きな障害となる懸念があります。
3)嘔吐した場合の危険性
 ⇒新生児や乳児では、嘔吐した場合に吐物が鼻や口を塞いでしまったり逆流してしまったりする危険性も考えられます。
4)ケガの危険性
 ⇒新生児や乳児では、寝ている間などに器具自体がずれて、顔面を傷つける危険性があります。
5)顔色や表情が観察しにくい
 ⇒こどもの健康状態が観察しにくくなります。
6)見えにくい
 ⇒シールドの内側が吐息で曇ったり、シールドの曲面によって物が歪んで見えたりすることにより、着用する成長期のこどもの視覚への影響が懸念されます。
7)においがわかりにくい
 ⇒ありのままのにおいを感じることができず、成長期のこどもの嗅覚への影響が懸念されます。乳幼児では、母親や父親の体臭を感じにくくなり、嗅覚の発達とともに親との愛着形成を妨げてしまうことが懸念されます。
8)聴こえにくい
 ⇒シールドが耳の前方まで張り出していることから、成長期のこどもの聴覚への影響も懸念されます。
9) 触れ合いにくい
 ⇒シールドをしているがゆえそれがずれないようにと配慮するなどして、新生児や乳児などの場合は特に、保護者や家族が抱っこしたり遊んだりという機会そのものが減少してしまう可能性も考えられます。

★まとめ
 コロナが“殺人ウイルス”ではなく、特にこどもを標的にはしていないことと、マスクやフェイスシールドに求められているものが本来の①意義・意味に適合していないこと、②メリットが期待されるほどのものではないこと、それに引き換え③デメリットが多大であって危険性をも伴う場合があることを考えれば、少なくともマスクやフェイスシールドを「常時着用」することは、こどもだけでなく大人にも不可欠なものではありません。むしろ弊害の方が大きいでしょう。
 マスクは、コロナに限らず様々な感染症の流行が明らかである時に、適切に使用することがポイントです。6月下旬の静岡県内の現状は、それにはあたりません。緊急事態宣言が解除されて流行が一段落の今だからこそ、こどもも大人も、お互いに生き生きとした表情で接し合うことが大切かつ必要です。マスクをしていない人を無条件ににらみつける、そんな社会にしてはいけません。
 フェイスシールドに至っては、こどもや一般市民が日常生活の中で着用すること自体、不要であり、低年齢ほど有害であると考えられます。
 コロナだけが感染症ではありません。コロナへの感染さえ防げば健康が保証されるということでもありません。コロナにだけ目を奪われて、こどもらしさ、こどもの健康で安全な日々の生活、健やかな成長が損なわれることのないよう、大人が、社会が、見守り、支えていきたいと思う次第です。

 今週のスイカ。

 今週のアジサイ。

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