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新型コロナウイルス感染症 COVID-19 (2):受診のタイミング

 もう20年来、小児科医として子育てセミナーや保育園の保護者会などでお話をする機会をいただくと、「上手なお医者さんのかかり方とは?」と問いかけるようにしています。僕が示す答えは、「なるべくかからないようにすること」

 21世紀に入ってから加速した乳幼児医療制度の普及もあって、病気の際にこどもが経済的な負担を気にすることなく気軽に受診できるようにはなりました。が、気軽になり過ぎて、我が子の状態を把握しようと努力することや、家庭で何かできることはないかと考えるプロセスを、多くの保護者がスキップするようになってしまいました。検査や治療にかかる費用の重い負担もありません。”せっかくだから検査もしてもらって帰ろう”、”薬ももらっておかなくちゃ”という風潮が広まりました。

 その結果、小児科の外来は軽症のこども達で昼も夜もにぎわうようになりました。そうするとどうなるか。本当に医療を必要とする重症なこども達や複雑な背景を有する病態のこども達に注がれるべき医療の時間やエネルギーが、十分とは言えない状況になりかねません。

「なるべくかからないように」とは、「ここぞという時に利用する」ように心掛けること。こどもと向き合い、コミュニケーションをとって、ご家庭での診療力を上げること、そしてこどもにご家庭ならではの安心感を与えることです。その向こう側に、本当にその時に必要とするこども達に適切に医療が施される体制の確保があることでしょう。

 「なるべくかからないように」と医療側が言うのはたやすいけれど、患者さんは、保護者の皆さんは、何を頼りに受診のタイミングを計ればよいのか。その疑問に答える一助とするため、リーフレット、”こんなときは、どうするの?”も用意しました。

☆       ☆       ☆

 今回の騒動で、行政サイドの施策に対しては、様々な評価があるものと思います。それらの中で、僕が一つ確実によかったと思っていることがあります。2月24日に発表された「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針の具体化に向けた見解」。この中の「4.みなさまにお願いしたいこと」の2段落目に、「風邪や発熱などの軽い症状が出た場合には、外出をせず、自宅で療養してください。」とあります。

 長く、マスコミを中心にして、「熱が出たらすぐに医療機関を受診しましょう!」という標語が喧伝されてきました。軽症者が大半だが一定の割合で重症化する方々がいる、小児は罹患者が少なく重症化も限定的、現時点ではワクチンも手軽にできる検査も特効薬もない。。。そんな感染症だからこそ、むやみやたらに医療機関を頼るよりも、ご家庭でできることがたくさんある、特にこども達にとってはご家庭での療養が何よりの特効薬、と思うわけです。

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