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新型コロナウイルス感染症 COVID-19 (45):致死率100%

(投稿日: 2020年04月12日)

 とあるところで教えてもらって、なるほどと感じたことがあります。ヒトは、いやヒトに限らず動物は、知られている限り致死率100%、いつかは必ず生きる作業を終える生命体であるということ。

 その終え方は様々であり、最近になってそのバリエーションの一つにCOVID-19も追加された、という状況です。

 最近、有名な映画監督が肺がんで亡くなられました。その原因の部分はさらりと報じられるのみで、業績がクローズアップされています。それが普通です。でもこれがもしCOVID-19が原因であったなら、少し前にあったタレントさんのケースのように、業績と並行して原因が大きく報じられ、騒がれたことでしょう。終え方のバリエーションの中で、新しいCOVID-19が今はそういう扱いになっているということです。

 その終え方もある程度はポイントにはなるものの、どうせ致死率100%なのだから、我々はヒトであると同時に人間でもあるので、やはり本当に大事なのはそこに至るまでどう生きるか/生きたか、であるはずですし、あるべきです。最近でこそ”終活”などと言いますが、本来、終わり方ではなく、生き方をあれこれと模索して日々過ごしているわけですし。

 なので、仮に生きる作業の終わり方がCOVID-19では嫌だなあ、と考えたとしても、そうはさせるものかと、それを避けるためにあらゆる活動を停止してこもり続けるのは、生き方が影響を受け過ぎているように思います。

 新型コロナウイルスは、本当に厄介な代物になってしまいましたが、とてもドライな振る舞いをするヤツです。「高齢者や基礎疾患がある場合に重症化する頻度が高い」。恐ろしい響きがありますが、でもこれは、どんなカゼでも共通の話で、高齢者や元々の病気のある方がカゼをこじらせないように気をつけるのは当然のこと。不謹慎な表現と言われてしまうかも知れませんが、このウイルスは、寿命の長短を的確に認識する、ある意味公平なヤツなのであって、若くて健康なこどもや若者の命を前触れもなく次々と奪っていくような殺人ウイルスではどうやらありません。

 実際、様々な方面から8割(以上)は軽症で自然治癒すると言われています。全く症状が出ないまま経過する方もいる。なのに、かかったら全員死んでしまうかのように思い込んで恐怖にかられながら過ごしていくことは、いかがなものでしょう。

 と、ここまでは、ヒトを一個体一個体バラバラに捉えた見方です。ヒトであると同時に人間でもある、というのは上述のとおりで、社会を形成していますので、「他人に迷惑をかけてはいけない」というルールの中で共生しています。「自分は若くて健康だからかかっても大丈夫」、「もう寿命も近くて楽しい人生をここまで過ごしてきたから、いつお迎えが来ても構わない」、、、いろいろな方がいます。けれども、その方々は個人的によくても、もしもその方々の振る舞いによって感染を広げられてしまって、巻き添えを食う形で本意ではないまま生きる作業を終えなければいけなくなる方が出てきてしまったとしたら、それはもう、社会の中のルール違反になってしまいます。

 なので、自身の思いを大切にしつつ、社会の一員として、バランスをとりながら行くこともまた大事だと思います。

 ものすごく厳密にルールを前面に押し出したとすると、一個体一個体がないがしろにされて、別の形=会社の倒産によって職を失う、生きる意欲を失ってしまう、、、で、生きる作業を終えなければいけなくなるといったことにもつながりかねません。バランスをとりながら、ということの難しい側面と思います。

 初めに戻って、そもそも致死率100%の我々ですから、死亡率=死亡させる率がたかだか1%内外のヤツに、あまり振り回されないように気をつけながら、早くヤツをおとなしくさせるように、社会全体で協力していけたらと思うところであります。

 

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